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2016年6月29日水曜日

Second Life360度写真のとりかた

今月はじめに記事に書いていますが、GoogleフォトでSecond Life360度写真が気軽に表示できることを見つけた(気付いた)ので実は今モチベーションが急上昇中です^^
360度写真撮影はブランクあると撮影の感覚的な部分を失ってしまいますから日々のトレーニングも兼ねてSL360度写真撮り続けています。

※以前はSecond Life360度写真のことをSLVRと呼んでいましたが、最近はSL-PhotoSphereとかSL360度写真とか・・・ 特に名称決めていませんが全部同じものです。

先ずは直近6枚
地図を開いて人がいない場所にTP… そこで撮影始めるルール
人がいない場所へというのはけっこう重要で、1枚の360度写真を作るためには数十枚の写真が必要ですが…撮影中に外人さんに話しかけられたら!
私はマウスルックで目分量でまわしながら撮っていくスタイルですから、撮影中に会話なんてできません。
画面から目を離した瞬間にそれまでのカットはボツ決定になってしまうんです。

上の写真はメインランド公道脇に見つけたものですけれど、メインランドは土地にバリア張ってる人が多いので撮影位置が何かの隙間に入り込んだような変な位置になっていますw
 バリア内に入る方法ってないわけではありませんが、「入るな!」って明確な意思表示でもあるのでその一線は超えちゃだめです^^
メインランドはしばらく諦めて、作りこまれたプライベートシムを撮っていくことにしました。
ここは何年も前に360度写真撮りに来ていますが、全改装が入ったぽくて全く違う風景になっていました。
SLの面白いところは地形までも改装対象になるとこですね。
そして、アーカイブとしてやっぱり360度写真をたくさん残しておくべきだと感じました。

リアルでは最近、地元の人しか知らないような小さい神社まわりしていて、そこで360度写真を複数枚撮ってGoogleマップにインポート。ストリートビューのように移動できるようにしているのですが・・・
Second Lifeの中の神社も撮ろう!…と思って、初詣に何度か行ったことのあるここを最初のターゲットに〜
今後また何枚か追加撮影するつもりです^^


有名なシム群・・今週2度目の撮影
ここはSIMの外にヒュージのスカルプでできた山があるんですけれど、全てが写り込む360度写真ではこれがちょっと・・・微妙に邪魔なんです。他の作り物の雰囲気・質感とギャップがあって^^;
描画距離短くして入らないようにするのもいいですが、この写真では 大気いじって遠景をかすませています。

昨日にひきつづき・・・3枚目。
ここはほんとに広いですし、あちこちに面白いスポットありますね。
まだ当分ここで素材とれそうです^^


 ここからが本題(撮り方の説明)です。 

まず初めに…
Second LifeではFisheyeレンズなどはありませんから、通常のSSを普通の画角でそのまま使うことになります。つまり仰俯角多面撮りです。
リアルの360度写真撮影で仰俯角多面撮りのスキルを持っていれば難なくクリアできますが、特にスティッチ作業がFisheye使用の場合とは異なりますのでお使いのソフトでの素材扱いについて設定・注意点などにある程度精通している必要があります。


さて、素材撮影はアイテムを使って自動で決められた角度を回すというのが楽ですし私自身07年に始めた時はそういうアイテムを作って使用していましたが、状況を見て被せ部分をその都度変えるイレギュラーなケースもあるので臨機応変にどこでも対応できるという意味では手作業の方が効率は高まります。

原理的なお話はそう難しくはありませんが、後々色んなケースに対応していくためにもここではアイテムも何も使わない方法の説明とします。

360度写真はたくさんの写真を合成(スティッチ)して仕上げるものですが、素材撮影中は軸を移動させないようにします。
軸とはこの場合アバターの位置ですから、素材撮影中はアバターの移動やアニメAO等はダメです。

仕草を表現させる目的で作られた普通のAO等では、その動きが視界を変化させてしまうこともありますからご注意下さい。
撮影中地面に立っている時・空中浮遊している時も含めて、 一番確実なのはアバターの動きを完全に固定させたAOを実行させておくことです。


【練習にどうぞです^^】
360度写真用の素材は自分を中心として真上〜真下まで全てを撮影する必要がありますが、ちょうどリアルでこれを練習できるアプリがあります。

Googleストリートビューアプリ IOS版 /  Android版
 
Second Life360度写真も全く同じ方法で撮影を行っていきます。
理由:リアル360度写真の撮影はいくつか方法がありますが、主に使われているのは円周魚眼レンズを使用した前後2面撮り〜4面・6面撮りです。(デジイチの場合は円周魚眼装着4〜6面撮りが一般的です)
リアルでの360度写真の撮り方・デジイチ編の説明はこちらを御覧ください。
つまり超広角の円周魚眼レンズなのでそれが可能なのですが、Second Lifeのカメラ画角を広げてもリアルの円周魚眼レンズのような絵にはなりません。
なので通常画角の写真を球体の裏側に貼り込んでいくような感覚でたくさんの枚数を撮影する必要があります。
 
と、いうことでもしスマホ・タブレットをお持ちであればストリートビューアプリ使ってみてください。
撮影中は動けない・途中で一休みしてお喋りできない…それが実感できますが、何よりリアルの360度写真も気軽に撮れるようになるので360度写真もだいぶ身近なものに感じられるようになると思います^^


 とりあえず… 実際の素材撮影(実例) 

撮る順番としては仰角90度… つまり天頂(空)1カット 
その次に仰角を少し下げて天頂の1カットを取り囲むように4カット
また仰角を下げて・・・ これを繰り返していき、最後は俯角90度… 真下を1カットで終了です。
真上(+90度)〜真下(-90度) それぞれに方位角0〜360度を埋める絵を素材として撮っていきます。

撮る場所によって変動しますが(最大で60枚くらい)、概ねこんな感じの撮影です。
仰角90度(1枚)〜(4枚)〜(5枚)〜仰角0度(6枚)〜(5枚) 〜(4枚)〜俯角90度(1枚)

 撮影の際のビューア側の設定 

【画角について】
リアルの360度写真でも同じですが、焦点距離を長くして画角を狭めると360度画像をつくるための素材枚数はたくさん必要になりますが画質は向上します。
Second Lifeのビューアではctrl+0 , ctrl+8 , ctrl+9で視野角の設定ができますが基本的にデフォルト(ctrl+9)で良いと思います。
スティッチソフトは写真のExifを参照してスティッチ時の曲率計算に利用していますが、Second Lifeで撮影するSSにはその情報がないので任意手動設定することになります。
ビューアによって違うかもしれませんが、デフォルトの場合の設定値としてはおおよそ18.5ミリです。

視野角は環境設定側からでも動かすことができますが、360度画像用の素材としてはあまり極端な設定にしない方が良いです。広角側は出来上がりの解像度も落ちますからオススメではありません。
上からAlvhemy、Firestorm、公式




【視界操作とシャッターについて】 
  •  撮影はマウスルックで行います。 マウスのみで視界を操作して下さい。
  • シャッター操作はショートカットキーで行います。
  • Advanceメニューで高解像度スナップショットをONにしておいて下さい。

…尚、SSのショートカット撮影ですけれどUSキーボードの場合はcontrol+`でOKなのですが、日本語JISキーボードでは@等、別のキーが`になっています。
必ずしもUSキーボードである必要はありませんが、もしショートカットの2つのキーが離れていて片手で押しにくい場合はキーリマップを行って下さい。
※Mac用USキーボードはControlと`が左端どうしで近いです。

つまり、普通のマウス・キーボードでPC操作を考えた場合、片方の手で視界(マウス)操作を行い、もう片方でシャッター(キーボード)操作となりますから、片手で2つのキーを同時に押しやすい位置にCtrl`が配置されていないととてもやりにくいです。



【環境設定・グラフィック】
  • 描画距離は任意。 (通常のSS撮影と同じですが、遠景に必要のないオブジェクト・地形が入る場合は意図的に短い距離にします。360度写真ですから全ての方向について考慮する必要があります。)
  • DOFはOFF 。 (ONでもいいですが、通常の写真撮影とは違うので処理が面倒になります)
  • 影は入れた方が雰囲気でますね。

WindLight】
  • これは好みで設定してしまって大丈夫です。(遠くに主張してほしくないオブジェクトがある場合は描画距離を短くする以外にWindLight側で遠景の描画に影響与えることもできます。つまり霧とか・・・)
  • 但し各素材間に識別できる目印的なものがないとstitchできなくなるので暗闇は避けた方が良いです。 


【照明】
普通のSS撮影と違って360度写真撮影では新たに光源を追加する必要はあんまりないのですが、至近距離にあるものを空設定変えることなく少しでも明るくしたいというケースもたまにあります。
そういう時は撮影用装着ライトの使用がいいと思います。
Body Light・Face Lightは自身を照らすためのものですが、撮影用装着ライトはロケ地等でRezできない場所で使う装着光源で主にモデルさん撮影に使います。(そのため、この参考写真のは赤い目線ボールが付いています。) 
光源球はその都度編集で動かしますが、360度写真撮影の際に周囲を照らすものとして使う場合は頭上・あるいは足元… つまり回転軸線上に配置が良いです。
各種アイテムはこの場所に置いています(無料)



【その他】
Advanceメニュー>レンダリングの項目でアバターのチェックを外すとアバターが消えますので必要があればこれを使います。但しアバター以外のオブジェクトも消えてる可能性があるのでこのスイッチを使う場合は周囲を確認してみて下さい。
尚、マウスルックは既に自分の姿は消えていますし影も落ちないのでこの場合は必要ありません。

 (以上のまとめ)素材撮影の手順  
  1. 撮影地点を捜す。多くの場合少し宙に浮かんでいた方が良い絵になりますが、撮る場所によります。場所を決める時は実際にマウスルックにして上下〜周囲をぐるっと確認してみると良いです。
  2. WindLightを設定します。空の雲もstitch時の貼り合わせ目印になるので適度に出しておきます。そして雲は動かないようにロックします。
  3. 環境設定・グラフィック関連を設定します。
  4. まわりに(話しかけてくる)人がいないことを確認してから、天頂(仰角90度)から撮影していきます。
素材は概ね25枚以上。画角を狭めて高解像度で撮る場合は60枚程度必要です。


 スティッチ 
素材を撮るところまでは特に必要なものは何もなく普段のSS撮影とたいして変わりませんが、これは素材でしかないので、そのあとの処理が必要になります。
これをスティッチ(stitch)と呼びます。

ソフトを使いますが、フリーのものから万円単位のものもでいくつか出ています。
フリーで有名なものはHuginで、解説サイトがけっこうあります。
プロ向けでよく使われているのはPTGui Proです。
同じ結果が得られるにも関わらず無料版から高価なものまで存在するのは、もちろん機能の違いやスティッチエンジンの性質などいくつか理由がありますがSecond Lifeの360度写真制作としてならフリーのものでも全く問題ありません。
※ソフトの具体的な操作方法は各ソフトごとに解説サイトがありますのでそちらを御覧ください。

スティッチソフトは他にもたくさんありますが、勿論全てデジカメ等で撮影されたリアル写真を素材として想定しています。
素材読み込みの際にFocal length(焦点距離)やImaging Sensor(撮像素子のサイズ)その他が必要になりますが、Second Lifeデフォルト視野角はFocal lengthに18.5を入れておけば問題ないです。

尚、スティッチは自動で処理されるものが殆どですが、エラーが出る場合は手作業で補助を行うこともあります。このあたりは素材の適性さとスティッチエンジンの出来次第です。


【出力ファイル】
数十枚の素材を読み込ませて処理したあとに仕上がる出力ファイルは2:1の画像です。
これをEquirectangular(正距円筒図法)と呼びます。

ファイル形式はTIFF・PSD・JPEG・BMP等、目的に合わせて決めればいいですが、 精密に調整したい場合はレイヤー情報を持ったpsdを出力させる場合もあります。


【出力ファイルの解像度】
尚、この2:1画像の解像度ですが、最初の素材をどういう画角・解像度で撮っているかで変化します。
6000×3000以上になれば良いですが、この値に届かない場合はこれをチェックしてみて下さい。
  • モニター画面いっぱいにビューア画面を広げているか?
  • Advanceメニューで高解像度スナップショットをONにしているか?
  • 視野角を広げていないか?

使っているモニターの解像度が高ければもちろん出力解像度も上がります。更に素材の画角を狭めてたくさんとっていけば12000×6000、それ以上(24000×12000)の解像度にもできますが、閲覧時にその解像度の写真を表示させることになるのでこのあたりは平均的な回線事情・PC能力から、現在は 8000×4000あたりが標準解像度だと思います。

解像度についての詳細記事はこちらです。Real・Second Life360度写真の解像度 

 360度写真を作る 

2:1のEquirectangular画像はパノラマ写真としては完成していますが、あくまで静止画でしかないのでこのままではインタラクティブに動かせません。
これを動かせるものにする方法はFlashやJava、HTML5等他にもたくさんありますが、手間も少なく一番確実な方法はGoogleのPhotoSphereXMPを埋め込むことです。
PhotoSphereXMP埋込みされた画像は、Googleフォト上でのみ動くものですがGoogleサービスの全体の規模から言って一番汎用性が高い方法だと思います。

PhotoSphereXMP はこちらを参照してPhotoshop等を使って画像に埋め込みます。
埋込みを簡単にすませたい場合はTHETAのソフトも流用できます。(ソフトの画面に2:1のJPEG画像をドラッグして書きだすだけです)

※現在のPTGuiProはEquirectangular出力時にこのメタタグを含んでくれるそうですが、私が使っているバージョンは古いのでその検証ができません。

それをGoogleフォトにアップすればOKです。
共有例はこの投稿の上の方の6枚の写真を見てください。
Googleフォトは写真ごとにGoogle+、Facebook、Twitterの共有リンクボタンがありますが、普通にリンクをもってくるだけでもOKです。





以上でSecond Life360度写真の撮り方説明は終わりです。
これ以外のヒントや情報はありませんが、あとは感覚的に掴んでいく部分になるのでともかく失敗しながらでも数をつみかさねていくしかありません。
最初は広い構造物の中で壁側には凹凸や窓あるいは柱があり床面あちこちに物が置いてあるような空間が失敗しにくいです。
反対に慣れないと難しい空間は狭い部屋と広大な自然風景です。


Second Lifeでの写真撮影については、不定期に行っているデジアカ写真部へ
360度写真については毎週日曜日に行っているデジアカMac部へ
…と案内してきましたけれど、新設したSL360度写真グループに振り分けます。




関連記事:
 Real・Second Life360度写真の解像度 
Second Life360度写真
SLVR・インワールドのアーカイブ
SecondLifeVRの撮影について(高解像度化・時間短縮撮影に向けての話題)



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